年金事務所分室を訪問

年金

任意加入でインフレ、節税対策

今月が誕生月ということで、先日、年に1度の「ねんきん定期便」が爺の手元に届きました。
シールを剥離するタイプのハガキで、シールを剥がすと「これまでの年金加入期間」のお知らせ欄には「一般厚生年金 443月」と記されていました。
ご存じの通り、厚生年金の1階部分に当たる国民(老齢基礎)年金を満額受給するには480月の加入が必要なのですが、爺はこれに達していません。
これは昨年の退職前後、役所の国民年金担当窓口を訪ねた時にすでに判明していました。

あれからほぼ1年が経過-。
今年の「ねんきん定期便」を機に、この懸案にピリオドを打とうと本日は、役所ではなく自宅近くの年金事務所分室を訪ねることに。

国民年金は、20歳から60歳になるまでの40年(480月)間、毎月国民年金保険料を納めていれば、1年間に79,5000円(令和5年6月支給期~令和6年4月支給期の額)が満額支給されます。
しかしながら、爺は大学時代に20歳を迎えたのですが、勤めを始めるまでの間、国民年金保険料を納めていませんでした。当時は、国民年金への20歳からの加入は義務ではなく任意ではありましたが…。
その後も学生時代の分の保険料を納めることもなく、昨年3月に60歳の誕生日を機に〝還暦退職〟しましたので、20歳になった月から22歳の就職した月までの37月分の保険料が未納のままです。
よって、国民年金の支給額は満額ではなく、保険料未納期間が勘案され、その分減額されることになります。

具体的に令和5年6月支給期~令和6年4月支給期の額では、
795,000円(国民年金の満額年間支給額)×443/480月=733,719円と、
満額の795,000円より約61,200円ほど減額、低くなってしまう計算になります。

他方、満額の年金を受給する方法は残されているかというと…有ります。
年金の支給が始まる65歳になる前に、国民年金に「任意加入」をして、37月分(480月-443月)の保険料を納めれば、満額を受けてることが可能になります。

昨年は任意加入を逡巡していたのですが…。
任意加入をして37月分の保険料を納めれば、1年当たり61,200円の増額となります。
ひと月当たり5千円強程度ではありますが、今後インフレは確定的であり、そのささやかな対策となり得るでしょう。
加えて、今年初めて確定申告を体験し、国民年金保険料は社会保険料控除の適用を受け、節税になると学習したからです。

結論は「任意加入+付加年金」

年金事務所の分室を訪れると、受付用紙を手渡されました。
訪問目的、氏名、住所、基礎年金番号等を記入・提出すると、替りに受付番号表が手渡されました。


呼び出しがあるまで待合スペースへ。
大きめのテレビの前に10席ほど並べられている椅子の1つに座って、持参した新聞を30~40分ほど読んでいると、呼び出しがありました。

個別の相談ブースに席を移し、応じてくれた担当者に任意加入を考えている旨を伝え、内容の確認と手続方法を聞くと-。
先ずは、国民年金を満額受給するためには、保険料を納めなければいけませんが、ひと月当たりの国民年金保険料は、令和5度16,520円。
2年先まで決まっていて、令和6年度16,980円、令和7年度17,510円と言います。
仮に今月のひと月分に加え、2年先まで(2024年3月~26年3月の25カ月分)納めるとすると…
令和5年度(24年3月):16,520円×1カ月分(今月3月分)=16,520円
令和6年度(24年4月~25年3月):16,980円×12カ月分=203,760円
令和7年度(25年4月~26年3月):17,510円×12カ月分=210,120円
なので、納付保険料は概算で16,520円+203,760円+210,120円=430,400円となります。
残存の37月-25月=12カ月分の保険料がさらに上がってしまい、仮に22万円ほどになったとしても、
37月分で概ね65万円内外といったところでしょうか…。

上記の「定額保険料」に、1カ月当たり400円の「付加保険料」を納めれば、支給される年金に200円×付加保険料納付月数の付加年金が上乗せされるといいます。
すなわち、400円×37カ月分=14,800円を納めれば、200円×37カ月分=7400円の「付加年金」が国民年金満額79,5000円(令和5年6月支給期~令和6年4月支給期の額)にプラス支給され、年額80万円超となります。

65歳から国民年金を受け取れると仮定すれば、3年目の67歳以降は、65歳から66歳の間に納めた付加年金保険料14,800円を上回る形で、毎年7,400円のリターンを得る計算になります。

一方、任意加入の方は、保険料約65万円を追納することで年金支給年額は約6万1,200円増えますが、仮に65歳から国民年金を受け取った場合、任意加入による追納保険料約65万円を上回るリターンを受けることになるのは75歳を超えてから。
そこに「10年生存の壁」が存在します。

それでも、年金事務所の担当者から改めて制度内容を直接聞く機会を得て、やはり節税効果とこれからのインフレを考えると、満額年金の受給を図るための「任意加入」という〝プチ対策〟と、「付加年金」という〝プチプチ対策〟で備えることにしました。

前納で保険料割引に

さらに、保険料をまとめて前納するとおトクな割引があることを知っていたので、再確認すると…。


令和5年度に2年分(4月~翌々年3月分:24カ月)の保険料を前納する場合は385,900円で、毎月保険料を現金納付した場合と比べて16,100円の割引となるとのこと。

令和6年度もそれ相応の額が想定されるので、けっこうな割引額となります。
ただし、前納の手続きには期限があるとのことなので、急いだ方がよさそうです。
私「いつまでにどのような手続きをすればいいですか」
担当者「今月中に任意加入の申出書を提出してもらえば対応可能ですが、口座振替を行う金融機関の確認が必要で、こちらと金融機関とのやり取りに時間がかかってしまうと処理が間に合わない場合もあります」
私「間に合わせるには?」
担当者「ご自分が口座振替を行いたい金融機関に出向くなどして、振替を依頼するこの書類に金融機関の確認印をもらって、こちらに提出してもらえば手続きは早まります」

担当者が机上に載せたのは、金融機関関連の複写式用紙をはじめとするA4判書類計3枚。
私「金融機関の確認印をもらってきて、他の書類も記入して、再度こちらに持参すればよろしいんですね?」
担当者「はい。明日であれば確実ですが、来週の月曜日でも月内処理に間に合うと思います」

来週でも間に合うと思います、という言葉がどうも心もとなく響いたので、明日金融機関に出向いて確認印とやらをもらった上で改めて訪れることを伝え、この日はブースを離れたのでした。

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