小型船舶免許を更新

レジャー

2級、特殊、特定も

小型船舶免許なるものを所有しています。
本日はその更新講習を受講してきました。

小型船舶とは、総トン数が20㌧未満の船舶と、一定の条件を備えた総トン数20㌧以上のスポーツまたはレクレーションのみに用いられる長さ24㍍未満の船舶および特定漁船をいいます。
以前は、1級から5級まで区分されていた免許区分だったのですが、平成15年の船舶職員法の改正によって船舶職員及び小型船舶操縦者法に改称され、5海里(約9㌔)を境にして1級小型船舶と2級小型船舶に大別されたほか、水上オートバイの操縦には小型特殊船舶の操縦免許が必要になりました。

爺の場合は、2級小型船舶に特殊船舶そして特定操縦に関する免許なので…。
小型船舶であれば、海岸から5海里までの海域を操縦することが可能。
水上オートバイも、湖岸や海岸から2海里(約3.7㌔)までの水域で操縦できます。
さらに、旅客船や遊漁船など人の運送をする小型船舶の船長に必要な特定免許も持っているということになります。

持っているということになると回りくどい表現なのは、特定免許に関しては、平成15年の法改正後は小型旅客安全講習を受けなければならないのですが、爺の場合は当該法改正前にすでに免許を取得していたため、講習を受けずして自動的に付与された経緯のため。
昨年春に起きた北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」(乗客乗員26人)の沈没事故のことを考えると、他人を乗せて操船するなんてとてもできそうにありません。

前回の更新以降、小型船舶や水上オートバイを操縦する機会はゼロ。
ひと言で言うと、ペーパーライセンスもいいところ。
免許取得時には費用が伴いましたので、指をくわえたまま失効という道を選択するわけにもいかず…。
小型船舶免許の有効期限は5年間ですが、期限切れの1年前から更新することが可能となります。
前回更新が令和元年8月○△日だったので、期限切れまで残り1年となった今年8月、更新条件である講習受講を勧める文書が自宅に届いたのでした。

更新費用1万円也

更新講習は全国各地で常時、民間業者によって五月雨式に開催されていて、自分の都合のいい日時、会場を選んだ上で受講。同時に写真など関係書類一式と手数料を収めれば、更新できる仕組み。
関連Web上で受講日時と会場を調べた上で指定・予約することが可能なので、今月上旬にサクッと地元のダイバーショップでの講習受講を申し込んだのでした。

自宅から講演会場のダイバーショップまでは、徒歩と電車を使って約1時間。
会場に持参するようにと指示があった下記資料等をバックに詰め込んで。

  • 現在保有の小型船舶免許証
  • 6カ月以内に撮影した証明写真(横35㍉、幅45㍉)2枚
  • 免許更新手続きの委任状(署名、押印)
  • 筆記用具(シャーペン、ボールペン、消しゴム等)
  • 視力矯正及び補聴器等
  • 更新費用1万円

着いたショップはこぢんまりとしていて、入ると受講用の簡易机6つほど並べられていて、もうそれでいっぱいいっぱい。


本日の受講者5名がそろい、関連資料等を提出すると、予定通り午前10時ちょうどに講習がスタート。
講師はショップのオーナーで、当方より〝先輩格〟とお見受けしました。

先ずはひとりずつ、視・聴力と身体機能の検査から。
視力は両眼とも0.5以上あることが求められます。メガネ・コンタクトレンズをつけてもかまいません。聴力は5㍍の距離で話声が聞こえること。補聴器を使ってもOKです。
身体機能の方は、手のひらを握ったり開いたり、脚膝の屈伸運動を2、3回繰り返したり、歩行状態等をチェックしたりという内容。
5人全員が合格でした。

講習は修了したものの…

次はショップオーナーによる講義でしたが、なかなか興味深い話でした。

コロナ禍の最中、船舶免許の受験者数、合格者数ともに増加したと言います。
レジャーはアウトドア指向が強まり、釣りが人気となり、自分で船を操縦してみたいと思う人が増加。コロナ禍による経済低迷に対する緊急経済対策として支給された特別給付金10万円が「お小遣い」となって、免許取得の試験費用に充られたケースもあったとか…。
また、男性だけでなく女性の免許取得者も増えたそうです。

同時に事故の話も。
令和2年に海上保安庁が調査した船舶事故隻数1,961隻のうち小型船舶が1,591隻と81%を占め、事故を起こした小型船舶の92%がプレジャーボートと小型漁船。
船舶事故の73%が操縦者のミス(ヒューマンファクター)が原因で、最多が見張り不十分。続いて機関取り扱い不良、船体機器整備不足、操船不適切の順となっているため、出航前のエンジンならびに機器のチェックを、と呼びかけていました。
水上オートバイによる事故も増加。そのスピードは時速100㌔も出るほどパワーアップしてるとも。

講義の後は、教習ビデオの視聴。
お互いに見張りを怠った船同士の衝突、水上オートバイの急発進による後部同乗者の転落、飲酒による操舵中の居眠りをテーマに、事故ケースを再現・紹介した内容。
身体機能の検査、講義、ビデオ視聴を含め、この日の講習はわずか1時間強で修了となりました。



一方、手渡された教習資料には、船舶ロープの結び方を描いたものがあったのですが、これを完全に忘れ去っていました。
クラブヒッチ(巻き結び)にクリートヒッチ、ボーラインノット(もやい結び)…。

運航ルールさえきちんと思い出せません。
真向かいから船舶が近づいてきた時は右転して避航、港内では出航船が優先で入港船は防波堤外待機、防波堤を右舷に見て進むときはできるだけ防波堤に近づくという「右小回り」とか…。
更新できたとしても釈然としないというか、どうも胸を張れません。

新しい免許証はおおよそ2~3週間後に自宅へ郵送されてくるそうです
妻の脱ペーパードライバーの取り組みに倣って、新しい小型船舶免許証が届いたら操舵の実地教習してくれるところでも探してみる必要があるかもしれません。

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