本日は昨日の「出張鑑定・買取」のスピンアウト編です。
金高騰
断捨離をしようと古カメラを持って、東京から近所にやって来た出張鑑定・買取の2つの臨時出店ブースを渡り歩いた際、かねて出張鑑定に興味があったので、「鑑定士」さんにカメラの査定とともに業界の現況について尋ねてみました。
私「いろんな品物の鑑定をされていますが、よく持ち込まれるものは何ですか?」
鑑定士「カメラ、ブランドバッグが多いですね。部屋を片づけしていて要らなくなったからと言って。時計も多いですよ。退職したからとか、スマホで時間が確認できるからとか、で。それから最近の人気は金です」
私「金相場が上がっているらしいですね」
鑑定士「そうなんですよ。先週また過去最高値を更新したのをご存じですか?20年前の10倍以上の価格になっています」
私「持ち込まれる金って、まさか金塊?」
鑑定士「いえいえ、金そのものじゃなくても、例えば記念発行の金貨。だいたい発行した時の2倍の値が今だとつきます。万年筆の筆先も18金であれば、思っている以上の値がつきますよ。金のネックレスのチェーンも。切れてしまったチェーンの一部でもいいんです。おうちにありませんか?」
金相場の高騰を受け、万年筆の筆先、切れてしまったネックレスのチェーンの一部までも探しているというから驚きです。
米国カリフォルニアで19世紀に起きた金採掘ブーム「ゴールドラッシュ」ー。
東京から首都圏まで営業範囲を広げて、眠っている金を「掘り起し」ていく…。日本では今、ゴールドラッシュが起きているようです。
ロレックスも上昇
出張買取で追い求めている物は他にもあります。
鑑定士「おうちにアクセサリーはありませんか?イミテーションでもメッキ物でも1㌘当たり5円で買い取りますよ。持ち込まれた物はこちらで仕分けしますから、袋に入れて持ってきてください。持ち込まれた10人のうち6人の方は、その中に本物の銀とかプラチナが混じって入っているんですよ」
10人中6人!
6割はなかなかの確率です。
持ち込みを勧めるため、少々オーバー気味の営業トークでしょうか?
鑑定士「ご主人、ロレックスの時計を持っていませんか?だいたい20年前の物で購入時の価格の2倍ぐらい値がついています。ロレックスは金のように、資産として価値があるんです。動いていなくても買いますよ」
なるほど、渡り歩いた2つのブース内にはいずれもロレックスの高額買取をうたったポスターが貼っていました。
しかし、残念ながら私は持ち合わせていません。
出張鑑定の狙い
私「どうしてわざわざ東京から出張してこちらへ来られたんですか?」
鑑定士「お客さんから直接買取る機会って意外とないんですよ。わざわざ鑑定のために店に品物を持ってきてくれません。でもスーパーとかだったら、ついでに買い物バックに入れていってみてもらおう、それでそれなりだったら買ってもらおう、となりやすいんです」「一度持っていらした物を買い取らせていただいて、お帰りの際にご自宅にこんなもの、あんなものはございませんかと呼びかけると、また持って来てくださる人もいるんですよ」
なるほど、ガッテン!
確かにわざわざ東京・銀座のお店に持ち込んでみたものの、お値打ち品でなかったら、手間がかかるやら恥ずかしいやら。それが買い物のついでとなれば、抵抗感はそれほどない。
加えて、自宅が近ければ何度でも出直しができます。
私「なぜ出張鑑定は週末でなく、ウイークデー開催なの?」
鑑定士「それはですね、週末にいらっしゃれない方がおられますから」
当たり前すぎる答えにしばし考えさせられましたが、その後ガッテン!
出張鑑定・買取のターゲットは主婦層なんですね、きっと。
バッグに貴金属、アクセサリーは、女性の方が多く持っていますし、中には家族に知られたくない物もあるでしょう。
出張鑑定がウイークデーなのは、夫が働きに出て自由の身となった女性たちが週末までに、買い物ついでに何度でも自宅のお宝を持ち込んでもらえるから。
断捨離の途上で、出張鑑定・取引の狙いを垣間見ることができました。