舞い込んできたチラシ
断捨離で処分しようと先日来Nikonカメラ一式の取引相場をネットで調べるなどしていたのですが、ちょうど今朝の新聞を広げると「鑑定買取イベント開催」を知らせる折り込みチラシが入っているではありせんか!
チラシは2枚。
1枚は東京・上野、もう1枚は東京・銀座からの出張鑑定・買取のようです。
「電話かLINEで予約をして商品を持ち込めば、先着20名様にQUOカード500円分プレゼント」
「3品目ご成約で500円、5品目ご成約で1,000円それぞれキャッシュバック、買取金額10万円ごとに5,000円キャッシュバック」
「約40年ぶりの金相場過去最高値!売り逃すとまたいつ下がるかわかりません!」
いずれも威勢のいい言葉が並んでいます。
鑑定無料の対象はアクセサリー、ブランドバッグ・小物、シャネルアクセサリー、金貨、古いレコードなどのほか「古いカメラ」も。もう1枚の方も同様の品目に切手・ハガキ、テレホンカードそして「カメラ・レンズ商品の買取価格10%UP 壊れていても買取保証!」と書いてあります。
これかっ!
カメラをむんずとつかみ、カメラ本体、レンズ、ストロボ、ストラップの4点の査定に出かけました。
1万5千円也
車に乗って最初に訪れたのは近所のホームセンター。
2階エレベーターホール前の一角に簡易のテーブルと椅子を持ち込み、のれんを下げた臨時ブースができていて、若い男性2人が来客を待っていました。
さっそく手提げ袋からカメラを取り出し「かなり古いカメラなんですが、査定してもらえますか」と1人に手渡すと、それを片手に彼は立ったまま「写真を撮らせてもらってよろしいですか」と言って、もう一方の手でスマホを取り出すと4,5回カシャ、カシャと撮影。その後、椅子に座り、テーブル上のパソコンを操作し始めました。
鑑定対象のカメラのファインダーを覗かず、シャッターが切れるかどうかなどの確認もしないまま、何か調べている様子。まあ、価格相場の照会だろうと思って見ていたら、向こうから話しかけてきました。
男性「ここへいらっしゃる前、どちらか他には行かれましたか?」
私「いえ、今朝新聞チラシが2枚入っていたので、最初こちらにうかがって、あともう1店うかがってみようかなと」
男性「そうでしたか、それでこのカメラはもう使われないのですか?」
私「ええ。今どきスマホで写真が撮れますし、フィルムを手に入れるのにも手間がかかるでしょう」
男性「そうですね…」
そんな他愛もない会話を10分ほど交わしているうちに鑑定が終了。
男性「一式セットで1万5千円ですね」
私「セットでということですが、カメラ本体がいくらで、レンズがいくらなんでしょう?」
男性「あえて言うなら本体1万円、レンズ5千円。ストロボはおまけで100円。ストラップは何とも(価値なし)。品物の製造年代、状態、人気に応じて価格が決まります」
ちょっと意地が悪いようですが、さらに「状態に応じてとおっしゃいましたが、シャッターが切れるかどうかは考慮されないんですか?」と尋ねると、もう1人が「当店では、大量生産の商品の場合、シャッターが切れないであろうことを前提に価格を出させていただいています」と答えてくれました。
他のところでも鑑定を受ける考えを告げると、2人とも「どうぞ価格を比べていただきまして、当店の方が高いようでしたら、ぜひまたお越しください」と応じ、「金の価格が高くなっていますので、もしお持ちでしたら、ぜひ」とも。
ジャンク品扱い?
続いて向かったのはそこから車で5分ほど離れたスーパー。
1階玄関脇の臨時ブースに座っていた「鑑定士」も30歳前後の若い男性でした。
こちらの方もスマホをカメラモードに切り替え、私が持ち込んだカメラに向けてパシャリ。その後、やはり机の上のパソコン画面をにらむようにして相場価格と照会しているようです。
たださっきと違うのは、白い手袋をしてカメラを触り始めました。
鑑定士「買われてどのくらい経ちますか?」
私「もう30年前ぐらいなるでしょうか」
カメラのレンズを外して、カメラボディの中を覗き込むと「あれっ、ミラーが付いてないですね?修理か何か、なさいましたか」と男性。当方としてはここに持参する前に自身でファインダーを覗いてこなかったという失態にドキリ。ミラーなんかはついているものとすっかり思い込んでいたので…
私「そうですか?ミラーがない?ちょっと記憶にないですね」
鑑定士「ミラーが付いてないと、ジャンク品扱いになってしまうんですよ。ファインダー越しに覗いても何も見えないでしょう?」
私「どれ、どれ…本当だ!薄暗くて何も見えないですね」
「果たして結果はぁ~、ジャガジャン!」
ジャンク品扱いとのショッキングな鑑定に、テレビの「開運!なんでも鑑定団」の決めゼリフが自分の頭の中で響き渡ります。
追い打ちをかけるように、ストラップは残念ながら価値なし、ストロボはおまけで100円とのことで、「ミラーを付ければ東南アジアで売れると思いますが、ミラーを付けるとなると工賃含めて2万円ぐらいかかります。今回は最大で5千円ならお支払いできます」と言われました。
査定額の多少、思い出のカメラがジャンク品扱いの鑑定結果となったことのショックは大きく…。
本来、断捨離の目的の1つは心の平穏を得ることなのですが、未熟さゆえに心の不穏を招く結果に。
訪ねていった2業者とも今週の金曜日まで出張鑑定・買取を行う予定と聞いたので、本日はいったん引き上げることにしました。