92歳しっかり回答
実家の兄から1週間ほど前、父の介護保険(要支援1)の更新認定調査と更新認定申請に立ち会ってもらいたいとの連絡を受けていたため、昨日、帰郷。
本日午前9時からの地域包括協議会のケアマネージャーの来訪前に、簡単な朝食を作って父と一緒に食べました。
ベーコンエッグ、ダイコン菜炒め、納豆に味噌汁-。
お茶碗一杯のご飯とともにおかずはすべて胃袋へ。
旺盛な食欲に感心して食器を洗い終わって間もなくすると、ほぼ定刻に玄関チャイムが鳴りました。
お顔を拝見すると、ケアマネのTさんでした。
昨年末から年初にかけて、父の介護保険の適用認定の際にお世話になった方で、それ以来の再会。
短い挨拶を交わすと、さっそくリビングのテーブルに座りながら父への聞き取りが始まりました。
ゆっくりした口調ですが、次々に質問が父に飛んできます。
-その後、生活状況に大きな変化はありますか?
「いや、大きな変化はないが、足腰が弱くなってきていると思う。歩くときは杖があった方がいいようだ」
-身体で痛いところとかは?
「特にはないなぁ」
-お風呂はどうしてますか。自分で身体を洗っています?
「1人で入っている。身体も自分で洗う。ただ、転んだら大変だからなるべく家族が家に居るときに入るようにしている」
-爪は自分で切ってますか?
「手の方は自分で切れるが、足は訪問介護の方に切ってもらっている。身体を曲げることができないから、足先がよく見えない」
父は耳が遠いため、Tさんの質問が聞こえないことが時折あり、そんなときは当方がTさんの言葉をそのまま父に向かって大声で復唱したりして…。
-水とか味噌汁を飲む時にむせたり、物を詰まらせるようなことはない?
「ないなぁ」
-入れ歯はしないんですか?歯磨きは?
「入れ歯は作って持ってはいるが、入れたり入れなかったり。また近いうち歯医者に行こうと思っている。奥歯しかないから、歯磨きはしてない…」
父の歯は上は抜け落ち、下の両奥歯周辺が残っているだけ。
残っている歯はとても大切ですからと歯磨きの励行を指導されましたが、「はぁ」と他人事のような気の抜けた返事。
-トイレが間に合わないようなことはありませんか?お通じは?
「間に合わないことはないな。通じの方は水やらお茶を飲んでいるので、まぁまぁ」
-衣服の着脱はできます?
「できますが、たまに柱につかまりながら着替えることもある」
-買い物には出掛けますか?
「1日おきぐらい」
-日用品とか食材ですか?
「日用品は自分で買うが、食材は自分で買ったり、長男が買ってきたり、カレーやら牛丼(レトルトパック)をこっちの息子が送ってきたり」
-車を運転して出掛けるんでしたっけ?
「2回に1回ぐらい。来年は免許書き換えを迎えるが、もう合格しないだろうから、1年以内にはやめるつもりでいる」
兄の話では車はもう少し高い頻度で運転してるようなので、思わず「1年以内になんて言わず、明日にでも車の運転はやめてもらいたいのですが」と口を挟んでしまいました。
-何時に起きて、何時ごろ寝ます?食事はきちんと取ってますか?
「う~ん、朝は9時ごろに起きて、それからご飯。昼は12時から午後1時の間、夕飯は6時ごろからか…。就寝は9時から9時半ぐらい」
-夜中、トイレに行きますか?行った後、なかなか眠れないことはないですか?
「トイレには、夜中に3回ぐらい起きて行く。行った後でも眠れないということはない。眠れる」
-今朝は何を食べましたか?
「ハム、お汁、ダイコン菜、納豆…」
ハムでなくベーコンなのですが、そこはよしとして、私がもう1品あったでしょと再び横やりを入れると「あぁ、目玉焼きも」。まずまずの記憶力です。
-生年月日と年齢を教えください。
「昭和6年8月15日生まれ、92歳」
-いまの季節は?
「いまは…10月。秋だろ」
-もの忘れはよくしますか?
「う~ん、人の名前は忘れることがある。なかなか出てこないことがある」
-通帳、現金の管理は?
「自分でやっている。お金は月に1回、自分でおろしに行ってる」
-薬をのみ忘れることは?
「ない…。自分で薬の袋にのむ月日を書いているから」
-電気とか火の消し忘れとか?
「そんなことしたら、大変なことになる。家を出るときは火を消したか、水が出てないかを見て、そしてカギをかけて出掛ける」
92歳としては、受け答えがしっかりしていて、安心しました。
身体機能をチェック
聞き取りの質問がひと通り終わると、今度は横になってみてくださいとリビング横のベッドの方へ移動を促されました。
身体機能のチェックのようです。
ベッドに上がって横になってくださいと言われ、父は仰向けに。間もなくケアマネの「寝返りを打ってみてください」の指示に、難なく返りを打つと「何かにつかまらなくともできるんですね」とお褒めの言葉が。「今度はベッドから起き上がってみてください」との声掛けに、今春介護保険を適用してベッドの脇に設置した立ち上がり用手すりをつかむと起き上がることができました。
次は、ベッドに腰掛けたまま両足をベッドの外の床についた出した状態で、両腕を水平に伸ばしたり垂直にバンザイしたり…。
ケアマネの「両手を広げて、グー、パーを繰り返してみてください。動かしにくいことはないですか?」の問いに指を動かしながら父は「ない、です」。
片足ずつひざ下部分を床と水平になるように上げるようにと声が掛かると、左足は水平まで上がったのですが、右足の方は水平まで上げることができません。今冬に転んでしまい、右足のすねをけがしたからでしょうか。
それでも「前回の調査の時より上がってますね」とのこと。
ふくらはぎから足首にかけてのむくみを指摘されました。
更新認定申請を自書
身体機能のチェック終了後、介護保険の更新認定申請書への記入を求められました。
申請書は地元自治体へ提出するもの。
Tさんから「息子さんが書かれますか」と水を向けられましたが、父の認知度も測れるので「私ではなく、父に書いてもらいましょう」と提起しました。
申請書には氏名、生年月日、住所、現在の要支援・要介護度等々を記入しなければいけません。
父は耳が遠いので私が声を大にして記入すべき項目を伝えると、ちゃんと理解してしっかりとした筆致で書き進めていきます。私よりずっと達筆!
通院先の病院、担当医師の氏名を記入する欄もあるのですが、ちゃんと対応できました。
ただ介護保険の番号を記入するため、父に保険証を参照するようにと言ったのですが、その所在が少々あやふや。「いつも介護保険証はどこに保管していますか」と尋ねると、数秒ほど考えた後、テーブル脇に置いてあった緑色の手提げバックを持ち上げて「このバックの中だろう」。
バックから物を順次取り出してみると、保険証を発見!!
介護保険の番号を書き込むことができました。
これで、この日の約90分にわたるケアマネのTさんによる介護保険の更新認定の調査と、地元自治体へ提出する更新認定の申請手続きは無事終了-。
今の介護保険証(要支援1)の有効期間は年末の12月31日まで。
今回の申請が11月の地元自治体の審査にパスすれば、12月に新しい保険証が届くとのこと。
有効期間は来年1月1日からで今度は4年だろうとの見通し。
前回申請時と比べ、父の健康状況に大きな変化がないので、審査結果を見ないと分かりませんが、おそらく、引き続き要支援1でしょう。
Tさんに「要支援1で認定されて4年有効になったとして、認知度や身体機能が低下した場合はどうなるんですか」と尋ねると、「その場合は申請していただければ改めて審査することになります。もしお父さまに変化があれば、訪問介護を担っている担当者からも連絡が入ることになっています」。
父は最近、あまり外に出歩かないようなので、どちらかというと身体機能の低下の方が心配です。
自ら通販で室内用の歩行器具を購入したのですが、強く踏み込むことができずに使いこなせずに「開店休業」の状態。
いつまでも元気でいてもらいたいと思っているのですが…。