職種で求人倍率格差
ハロートレーニング「Webクリエイター養成科」では本日と明日、Java Scriptのスキル講義ではなく、就職支援をテーマとした授業に。
いつもと同じ10時開講ですが、この日は訓練施設がある地元ハローワークの統括職業指導官と就職促進指導官を招いてのセミナーが開かれ、話をうかがいました。
お2人とも女性です。
統括職業指導官は「労働市場が今どうなっているのかを把握していただき、ご自分が希望する職業が市場で求められているのかを踏まえていただくことが重要」と切り出し、資料を配布。
見ると、今年4月現在の東京都の職業別有効求人求職状況が載っていて、事務職の求人倍率が0.48と最も低いのに対してサービス業が4.78と最も高く、専門・技術職は1.93となっています。
指導官の解説によると-。
「東京都の有効求人倍率は1.79。コロナ禍で下がった後、全国の有効求人倍率を上回り、上昇傾向にあります」。
「皆さんはWebクリエーター養成科を受講していますから、Webクリエーターの専門職として就職するのであれば求人が求職の2倍近くある(1・93)ことになりますが、もしホームページ作りを含めた事務職として就職するのであれば求人は求職の半分(0.48)しかないとみることができます」。
履歴書&職務経歴書
そして「求人に応募する前に自己理解が大切」で、自問を推奨。
- 自分の強み(長所)や短所を把握していますか
- 自分の適性・能力(スキル、知識)を把握していますか
- 仕事に何を求めているか理解していますか
- 自信を失ったり、過信したりしていませんか
求人応募前には履歴書だけでなく、これまで担当してきた仕事や役目、自分が積み上げてきたキャリアを振り返り、職務の「棚卸し」ともいうべき職務経歴書も書くことで、自己PRが明確になり、面接対策にもなるとのこと。
そして、己を知った後は、相手を知る!
「応募しようと思っている①仕事の内容②労働条件・就業環境③求人倍率や応募状況④採用条件(必要とされる知識やスキル等)⑤企業情報-を確認しておいた方がいいでしょう」とも。
条件「70点」で求職
ハローワークが提供する求人情報を活用して求人情報を見比べることを勧められ、Web関連業種2社の実際の求人票が手元に配られました。
求人票を見ると、1社はフルタイム、もう1社はパートタイム。
みんなで各々の良いところ、残念なところを話し合う時間が設けられました。
求人票をまじまじと目にするのは初めてで、事業所名から職種・仕事内容、雇用形態、就業場所、年齢条件、賃金・手当、就業時間、休日、採用人数等々、重要情報が満載です。
受講していたクラスメートからはさまざまな意見や感想が提起され、自分にはない視点に気付かされました。
フルタイム求人で良いところとして挙がったのは-。
「東証スタンダード上場企業なので安定しているのでは」「賞与があるのがいい」「雇用、労災、健康保険等の厚生面がしっかりしている」…。
残念な点は-。
「勤務が21時から翌日6時までの夜勤なので応募できない」「使用期間6カ月は長すぎる印象」…。
一方、パートタイムの方の良い点としては-。
「年齢が不問」「正社員への登用制度がある」「就業場所が駅から徒歩と『駅近』なのがいい」…。
残念な点は-。
「時給1,100円からなのは安すぎる」「時間外労働についての報酬が不明確」「労災しか保険対応がない」…。
受講したみんなの意見・感想を引き取る形で、指導官はこう言って締めくくったのでした。
「仕事内容、賃金、就業の場所や時間のほか正社員・パート・アルバイト・派遣といった就業形態、休日等のうち、自分が譲れない条件を絞り込んだ上で求人票を〝点数化〟してみてください」
「直感でもじっくり検討してもいいのですが、何点以上なら応募すると決める。自分の条件を100%満たす求人に出会えることは少ないので、70点ぐらいをめどに求職してもらったらいいのでは」
「ハローワークの利活用をお待ちしています」