オープンパンツを履いて
本日は大腸の内視鏡検査のため、地元の病院へ。
昨年秋に受けた大腸の内視鏡検査で小さなポリープが見つかって経過観察中だったのですが、今年夏前に別の病院で定期的に受けている人間ドックで便潜血が確認。
ドック担当医から地元病院で再度内視鏡検査を受けるように、と勧められていました。
午前8時半過ぎに自宅を出て、バスと電車を乗り継いで10時前に病院へ到着しました。
予約表、診察券、健康保険証(任意継続)の3点セットを受付に提出。待ち人6、7人といったところ。10分ほどで呼び出しがあり、係の人からロッカールームで検査用のガウン、パンツ、スリッパが手渡されました。
「ガウンの下は着ているシャツ、靴下はそのままでもかまいませんが、こちらのパンツに履き替えてください」。
手渡されたのはこれまでも内視鏡検査時に使ってきた、スコープカメラがすぐお尻から挿入できるように後部が観音開きになっている不織布製の使い捨ての〝オープンパンツ〟。
ガウン下はこのパンツ一丁となって、別室へ。
すると、同じガウン姿の老若男女の姿が15人ほど。
当方の様子をうかがったいた看護師さんから「まだ体重を測っていない方はこちらへ。スリッパは履いたままで」と促され、体重計の上に乗ると65.3㌔でした。
続いて問診。
「今朝から何も食べていませんね」「事前に指示を受けた薬はきちんと飲まれましたか」「休薬中の栗があったら教えてください」「鎮静剤の影響で眠気が残る可能性があるので、自動車、バイクで来院していないですね」等々。
この日の検査のために、3日前から整腸剤を朝昼晩と2錠ずつ服用。
昨日は繊維質の多いキノコや海藻、くだもの、玄米などは避け、消化のよい物を食べて早めに夕食をとるようにとのことだったので、20時までに済ませたのでした。
夕食後、水200㎖を入れたコップの中に下剤ラキソベロン1本(10㎖)を加え、よく混ぜた上で摂取。
その後は水しか飲んでいない状態です。
9R、125分の闘い
受けたのは「二フレックB法」といわれる検査。
問診後、ソファにかけてしばらくすると、看護師さんが下剤を溶かした腸管洗浄液が入った厚めのビニールパックと大きめの紙コップ、それに鉛筆を持ってやって来ました。
「洗浄液をコップの200㎖の線まで注いで10分かけて飲んでください。それを繰り返して、1.8ℓ飲んでください」。
飲みやすいようにとポカリスエットふうの風味で冷やしているのですが、毎度苦戦します。
「しばらくするとトイレに行きたくなりますが、トイレに行った回数を記録しておいてください」「便意を感じなくとも、10分ごとにトイレに行ってみてください。じっと座ったままじゃなくて、動き回った方が効果的です」「10時25分からスタート、12時15分には飲み終わる計算になります」。
そう告げると、別の仕事へ。
周りの人たちはというと、座って本を読んだり、音楽を聞いたり、テレビモニターを見ていたり。
中には看護師さんの「動き回った方が効果的」の言葉に従って、自分のソファの近くで屈伸運動をするシニア男性、お腹の周りをなで回しているシニア女性、ぴょんぴょんと軽く跳躍する若い外国人男性、部屋の隅から隅まで何度も往復を繰り返す若い女性も…。
爺はといえば、洗浄液を一定のペースで口に運んでいたのですが、1ℓを過ぎたころからペースダウン。トイレの回数も3回ほど。腸内環境がスコープ検査ができる水準まではほど遠い状況。
「ウップ」。
スマホでYouTubeを見たり、病室内のテレビに目をやったり、またスマホでネットを見たりと気分を変えて、少しずつだましだまし飲み込んでいったのでした。
12時30分過ぎにようやく飲みきりました。
しかし、便通8回に及び、看護師さんに便の状態をチェックしてもらったのですが、「検査開始OK」のジャッジが下されません。
そして9ラウンド(R)の〝格闘〟後、「体重を測ってみましょう」との指示を受け、体重計の上に乗ってみると「65.1㌔。さっきより減ってますね」とようやくOKができました。
11月に切除・採取へ
しばらくすると、呼び出しがあり、看護師さんの誘導のもと検査用ベッドへ。
横たわってまま血圧を再測定して、異常がないことが確認されると、そのままベッドごと検査室へと移動。
先生に挨拶して、今回検査を受けるまでの経緯を簡単に説明した後、左腕に注射。
ほどなくして検査用スコープがお尻に触れたかなと思った次の瞬間、意識が途絶しました。
意識が戻ったときはベッドの上で仰向けの状態で、すでに検査は終わってしまった模様…。
どうも検査室の外にいるようで、頭を少し上げて周りを見ると、爺と同様、患者が横たわったままの検査用ベッドが3床ほど目に入ってきました。
「あれっ、もう検査は終わっちゃたの?」
まさにそんな感じ。「完落ち」ですね。
10分ほどしたらベッドから起き上がって、看護師さんに手を引かれて待合室へ。
それからおおよそ30分後、面談室で先生から検査結果の説明を受けました。
医師「昨年の検査の際に見つかった推計4㍉程度のポリープは今回見当たりませんでしたが、下行結腸にポリープが新たに見つかりましたので、改めて手術を行いたいと思います」
爺「ちょっと待ってください。新たなポリープが見つかったのは分かったのですが、昨年のポリープはどうなったんでしょうか」
医師「それは分かりません」
爺「分からないとは」
医師「前回検査した際にはカメラで捉えることができたとしても、腸のひだに隠れて見つからないということはままあるんです」
爺「そうなんですか」
そう答えてはみたものの、手術前にはポリープが見つかったら切除・採取することに関してわざわざ同意書を提出していたので、前回のポリープは見つからなかったので対処のしようがないにしても、なぜ今回見つかったポリープを切除・採取しなかったのか。それで再手術では腑に落ちません。
「同意書を書いているはず。なぜ今回見つかったポリープを採取しなかったんでしょう?」とさらに問うと、医師からは「前回見つかったポリープの大きさなら今回そのまま切除・採取できたのですが、今回のポリープは大腸から栄養を吸収している〝根〟のような組織が見られたため、採取するためには電流を流す処置の方が望ましいと判断しました。採取後は組織検査を行います」との答えが返ってきました。
今回発見されたポリープの大きさは7~8㍉ほど、〝根〟のような組織があることから即応できず、再手術という判断を下したようです。
結局、11月中旬過ぎに再手術の手続きをとってこの日の受診は終了となりました。
その後、病院でもらった処方箋を持って今回服用した整腸剤と下剤とまったく同じ物を購入。
帰途についたのは17時過ぎ。
この日の診療費は6,650円。調整剤・下剤調剤費が430円、さらに往復交通費1,110円でした。
とても疲れた1日でした。