米寿祝い

家族

妻、胡蝶蘭をしっかり準備

この日、自家用車で妻の実家へ。
お義母さんがこの8月で満88歳を迎え、家族で米寿のお祝い会を開催するためです。
本来であれば、数え88歳の昨年に開くべきところではありますが…。
お義母さんはお義父さんに先立たれた後、実家で一人暮らし。
といっても、同じ敷地内にお義兄さん夫婦が別棟に住んでいて、連絡を取り合って生活しています。

1週間ほど前、妻は義母へのプレゼントをネットで注文。
準備したのは鉢植えの胡蝶蘭でした。
胡蝶蘭は、何と言っても優雅さと上品さが漂います。
その名前と花の形状から「蝶」のイメージそのままに、花言葉は「幸福が飛んでくる」とか。
慶事の贈物としては定番なので、おめでたい場の雰囲気を盛り上げてくれること、間違いありません。

その胡蝶蘭が2、3日前、自宅に幅40㌢、高さ90㌢ほどの段ボールに入って到着。
開けてみると、3株が一鉢に収まっている「3本立ち」でした。
すでに縦、横とも6、7㌢ほどの小ぶりでかわらしい花が15ほど咲いていましたが…
(おや?)
妻のネット注文の際、同席していなかったので知らなかったのですが、よく見ると花の色がよく見かける白ではなく、薄黄色です。
米寿のお祝いカラーは金や黄と言われているので、それにちなんで、その色を選んだとのこと。
なかなかのグッドジョブ。

胡蝶蘭の育て方は、風通しの良い、カーテン越しに陽が当たるようなところに置いて、気温が15~20℃程度あれば、開花後1カ月ぐらいは楽しめるとのこと。
水やりは、鉢の中に敷かれた水苔を指で押して乾燥具合をみながら、夏場は1週間に1度ぐらいの頻度でよく、そんなに難しくはないようです。

車で移動中、大切なプレゼントがひっくり返ったり倒れたりしたら一大事なので、妻の隣にしっかりと〝鎮座〟してもらい、お義母さんの元へと向かいます。

当方、心ばかりの品

妻の実家までの距離は100㌔ほど。
途上、義理の息子として私も何かしらプレゼントを用意しないといけないのでは、と頭をよぎり、あれこれ思案してみたのですが、胡蝶蘭に勝る贈物などそうあるわけなく…。

結局、いつもお邪魔する際、たびたび立ち寄ることがある実家近くの薬局へ向かうことに。
そして、これまでも心ばかりの品としてお渡ししている、代わり映えのしない膝・関節痛に効くとされる医薬品を購入したのでした。
名の知れた俳優がテレビCFで出演している、あれです…。
サプライズとはほど遠い贈物になってしまいました。

お義母さんの悩みは、膝痛と高血圧-。
高血圧の方はかかりつけ医にお任せして、膝痛だけでも少しはよくなればと。
膝の痛みは、関節でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減ってきているのが原因の1つとされ、骨の構成成分がコンドロイチンで、フカヒレ、スッポンなどに豊富に含まれています。
いつも購入しているのは、他よりコンドロイチンをより多く含有している医薬品というのがウリです。

でも、お義母さんの身体能力は衰え知らずで、とても米寿とは信じられないほど。
立ったり座ったりするときに少々難儀するものの、立ち上がってしまえば、とても90歳近い人とは思えないほど動作は軽やかです。
今春、実家にお邪魔した時、妻と私と一緒に近所を30~40分ほど散歩したのですが、杖などはいっさい不要で、歩調はわれわれと同じでスタスタと歩き、その健脚ぶりに驚かされました。

いっそう大切な人に

薬局の後、スーパーにも立ち寄って買い物をした後、実家へ。
玄関を開けると、九州のお義姉さんがすでに到着されていました。
今回の米寿のお祝い会に、はるばる空路入り。
4、5年ぶりの再会の挨拶となりました。

大型台風がちょうど近づいてきていて、その影響を懸念していたのですが、お義姉さんは予定通り移動できたのですが、後を追っていらっしゃるはずだったお義兄さんは、搭乗予定の飛行機が欠航となってしまい、やむなく〝祝賀会〟欠席となってしまいました。

「満88歳を迎えられ、おめでとうございます」
お義母さんに米寿のお祝いの言葉をお伝えすると…
「ありがとうございます」
と、笑顔で応えていただきました。

ご挨拶の後、胡蝶蘭を〝献上〟すると…
「何ともかわいらしい花ねぇ」
珍しい薄黄色の胡蝶蘭を喜んでいただけたようです。
「いつも気を遣ってくれて、ありがとう」
私の膝痛薬にもお気遣の言葉をいただきました。

一昨年実に母をなくし、今年は実父をなくしてしまった私-。
「お義母さん、ますますお元気で!!」
いっそう大切な人となったお義母さんに、今の率直な思いをお伝えしたのでした。

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