約1年ぶり
本日午前、妻と一緒に近所のクリニックへ向かいました。
新型コロナウイルスの感染予防ワクチンの接種を受けるため、です。
昨年11月以来のことで、今回が最後の無料接種。
先月末、地元自治体の予約専用サイトから申し込んでいました。
感染者の数が日々報じられなくなりましたが、コロナは潜在し依然健在で、身近で感染したという話を耳にします。
接種するのは、コロナウイルスの従来株に由来する成分とオミクロン株に由来する成分を含むファイザー社製の「2価ワクチン」で、自治体から接種券と一緒に郵送されてきた同封の説明書によると、オミクロン株に対する重症化予防・感染予防・発症予防効果がそれぞれ強いことが期待されるとか。
また2種類の抗原(体内で免疫反応を誘導する物質)によって誘導される免疫も、より多くの種類の新型コロナウイルスに反応するため、今後の変異株に対しても有効である可能性がより高いともいわれているようです。
自宅を出発する前に一応体温を測って36度8分であることを確認すると、接種券に保険証、それから昨夜記入した予診票等をバッグへ。
予診票には、ワクチン説明書を読んで、効果や副反応などについて理解したかどうかといった質問項目欄があり、回答にチェックを入れる形式になっています。
- 現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか。
- 最近1ヶ月以内に熱が出たり、病気にかかりしましたか。
- 今日、身体に具合が悪いところがありますか。
- けいれん(ひきつけ)を起こしたことがありますか。
- 薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか。
- これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことはありますか…等々。
数年前から「ロトリガ」という血液をサラサラにする薬を服用していることを明記した以外、すべて「いいえ」と回答しました。
医師の姿なし
目的のクリニックに15分ほどで到着。
住宅街の中にあって一般住宅を改築したかのような外観でしたが、看板が掲示されていて、外にはパイプ椅子が4つほど置いてあって接種者らしき人が座っているのが目に入ってきたので「あぁ、ここか」と分かりました。
これまで4回接種を受けてきた病院とは、接種可能日と自分のスケジュールとの折り合いが悪く、初めてこちらのクリニックでお世話になることに。
接種券と予診票を玄関入ってすぐ脇の受付に提出して中の様子をうかがうと、6畳ほどの診察部屋が2室のみで、その前にソファーが2つ並んでいるというこぢんまりとしたところです。
受付の女性が「自宅で体温を測ってきましたか」と尋ねるので、数値を伝えるとそのままその方が予診票に追加記入。改めて体温を測定することなく、外のパイプ椅子に妻と座って待つことに。10分ほどすると、今度は女性の看護師さんに導かれてクリニックの奥の部屋へ。そして「荷物をそちらのかごの中に入れて、そちらの椅子に座って腕を出してください」と指示がありました。
看護師「前回副作用はどうでしたか」
私「腕が痛くて数日上げることができませんでした」
看護師「そうですか。今回も同様のことがあるかもしれません。それでは腕をしっかり出してください」
そんな短いやり取りが終わるやいなや、看護師は注射器を手にして「ちょっとチクリとしますよ」と左上腕部に針を挿入。軽い痛みを感じましたが、数秒後には針が抜かれ「外の椅子とかにしばらく座って様子をみてからお帰りください」とあっさり〝終了宣言〟-。
コロナワクチンの無料接種がスタートしてからしばらくの間、副反応がよく取り沙汰されていたこともあってか、当方これまで4回の接種はすべて医師対応でしたが、こちらのクリニックでは医師が姿を見せることはなく、看護師による一貫対応でした。
妻にも聞きましたが、医師との接触はなかったとのこと。
こらまでの接種が医師対応で、ワクチンの副反応のことも念頭にあったため、少々違和感を覚えましたが、ふと政府の規制改革推進会議で医師と看護師との「タスクシェア」(分業)が議論されているというニュースが思い浮かびました。
そうか、アレってコレのことかと…。
タスクシェアといっても…
保健師助産師看護師法5条によると、看護師とは「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」であって、「診療の補助」とは経過観察の結果を医師に報告する等比較的単純なものから採血、注射、点滴、医療機器の操作などがあるようです。
よく考えれば、私のかかりつけの診療所でも人間ドックの際にも看護師が検査採血を行っているわけで、看護師によるコロナワクチン投与の筋肉注射についても診療の補助に該当します。
高齢社会における医師不足が指摘され、これからは医師が1人で運営するクリニックなどでは看護師とのタスクシェアなしではやっていけなくなることは想像に難くありません。
ただし、診療の補助は医師の指示に基づかなければ行うことはできません。
帰り際に看護師から複写式になっている予診票の「本人控え」が手渡され、それを見てみると、確かに医師の署名がありました。提出した予診票で接種者の健康状態をチェックし、医師が問題ないと判断して、看護師に接種を指示をしたという格好です。
ただ、私としては、とても仲が良かった知人が一昨年新型コロナウイルスの感染予防のワクチン接種を受けた約1週間後に急逝していて、ワクチンに全幅の信頼を置いているわけではありません。
同じようにワクチンによる後遺症に悩んでいる人もいることから、副反応を心配している人は少なからずいるのではないでしょうか。
分業を頭から否定するわけではありませんが、「看護師は注射行為に従事している間、医師はクリニック内のどこかで問診票をみて問題ないと判断して署名する」というタスクシェアではなく、「医師が接種者と問診した後、看護師が注射行為に従事する」というタスクシェアであってほしかった…。
きっと医師と看護師の分業が徐々に広まっていく過程で、それぞれの医療機関・施設のタスクシェアの在り方に差異が生じ、患者がその方法や中身を見聞して通所先を選別するようになるものと想像します。
ワクチン接種後、医師の指示の下「相対的医行為」を担っていただいた看護師いわく-。
「お風呂は入っても大丈夫。ただし注射した患部はこすらないように」
「アルコールはお勧めしません。飲むのであればあくまで自己責任でお願いします」
と、いうことで晩酌はおあずけに。
家に戻る道すがら、前回接種後に軽い熱発があったことを思い出して、自宅に戻って予防的に解熱剤を服用。午後から夕方にかけて、妻ともども注射を打った左上腕の痛みも徐々に増してきました。
2人とも早々にノンアルコールで夕食を済ませ、この日はおとなしく床についたのでした。