かかりつけ医へ行こう

健康

腎機能低下で「イチゴ3個まで」

帰省3日目。
父を車に乗せて実家近くのかかりつけの医院へ。

ひと月に1回、いくつかの持病の診断・治療を受けているのですが、父から前回3月に受けた検査結果について担当医から詳しく聞いてもらいたいとのリクエストを受けたので。
耳が遠いので、医師の説明がよく聞き取れないのでしょう。
受付を10時半過ぎに済ませ、待つこと約1時間半。
担当の女医I先生から病状の説明を一緒に受けました。

先ず腎臓は慢性腎不全-。
「機能が少しずつ悪くなってきています。クレアチニンの許容範囲は1.1以下ですが、現状は1.83です」。
ネット上の医療関係情報によると、クレアチニンは筋肉を動かすためにエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つで、本来不要なものとして尿として体外へ出ていかなければいけないのですが、その機能が衰えてきているようです。ちなみに人工透析が必要といわれている数値は4.5~5。
「血中カリウムも増えていて、標準値3.5~5.2なのに対して5.9。カリウム値が高くなると心臓に悪い影響を与えます」。
不整脈持ちの父としては要注意です。

医師から「先日処方したアーガメイトゼリーはのんでいますか?」と問われると、父は「あれは、のまなくてはいけない薬ですか?」と信じられないような答え。
医師「そうですよ。ちゃんとのんでください」
父「ちょっとのみにくくてですね、錠剤はないですか?」
医師「調べてみましょう…。粉末ならあるようなので、そちらに替えますか」
父「あぁ、はい」
アーガメイトゼリーは過剰なカリウムを体外に排泄して、血中のカリウム値を改善する薬ということですが、父はまったく危機感なし。他方、薬の変更を要請できたのは「得点」でしょうか…。

カリウムの摂取量を減らすようにと、食事制限の指南も受けました。
医師「くだものや生野菜はカリウムを含んでいるので、食べ過ぎないようにしてください」
私「具体的に適度の量はどのくらいでしょう?」
医師「1日当たりミカンなら1個、イチゴなら3個。リンゴ、バナナは半分ぐらいですかね。トマト、レタス、キャベツも取り過ぎはよくないです」。
父「えっ、イチゴ3個?じゃあ野菜ジュースは?」
医師「ジュースは容器に成分が書いてあるからカリウムの量をみてもらって、ですね」

最近、健康に気遣って野菜ジュースを飲み始めた父は不満そうな表情。

糖尿病も悪化

次は糖尿病-。
指標となるヘモグロビンA1cの許容値は5.9とされていますが、父は9.3。その前の値が7と指摘されたので、こちらも悪化傾向です。
医師から「年齢的なことを考えれば、8%ぐらいまでだったらとも思いますが、それを超えていますね」「お酒は、ビールをコップ1杯ぐらいにしてください」。さらに「さっきくだものの話をしましたが、くだものの採り過ぎは糖尿病にも悪いですから」と再度のダメ出し。

父はというと、まだひとつ前のやり取りから抜け出せずに「イチゴはダメ?ミカンもダメなの?」と自問自答状態。
私が「お酒は、ビールでコップ1杯だけだって」と告げると、今度は「はぁ」。
糖質ゼロ、プリン体ゼロの発泡酒を愛飲する父は調子づくと350ml缶を4~5本飲んじゃいますから、医師を前にとぼけてみせたのでしょう…。

続いて慢性膿(のう)尿-。
膿尿は、体内の白血球が細菌と戦って死んでものによってできる膿(うみ)が尿に混じって出てくるもので、おしっこが依然濁っている状況。尿路感染症ともいわれ、細菌が尿道から膀胱までさかのぼって膀胱炎に発展してしまうと、面倒なことになるそうです。
医師「以前からお薬を飲まれていますが、改善されませんね。積極的に水分を取って、おしっこをするようにしてください。アルコールはお水じゃありませんよ」
父「水、水…。お茶、緑茶を飲むようになりました」
医師「緑茶はカフェインが入っていて利尿作用もあるので、一杯ぐらいなら。カフェインが入っていない麦茶の方がいいですね」
父「緑茶もダメ…ですか」

だんだん父が可哀そうに思えてきました。

気になる膵臓疾患

極め付きは、膵(すい)臓の膵管内乳頭粘液性腫瘍-。

膵管(膵液の流れ道)内で粘液が滞り、以前から膵管先端部にできたのう胞腫瘍のほか膵管、結節の拡張が診うけられたのですが、3月7日のMRI検査の結果、「のう胞腫瘍、膵管、結節とも拡張している」ことが分かったそうです。
膵液の流れが滞れば消化に悪影響を及ぼして体内への栄養吸収が難しくなり、衰弱してしまうとのこと。

医師「悪化しても高齢で手術は難しいので、大学病院で受け入れてもらうことは難しいと思います」
私「大学病院は難しいとなると…」
医師「看取り含みの病院に入っていただくことになるのか…」
私「そうですか…」

ショッキングでしたが、父は聞き取れていないふう。
耳が遠い方がいいこともある…。
最後に「ええと、それから心臓についてはエコー検査をしましたが、大きな変化はありませんでした」と説明してくれましたが、不整脈、期外収縮持ちですので、低位安定というところ。

先生の説明を20分程度受け、会計を済ませて帰路に。
自宅に戻って遅めの昼食をとりながら、医師から説明を受けた、膵臓を除く病状について父に向って大声で報告。
すると、食事制限の話は覚えていたようで「イチゴ3個だって?野菜ジュースもお茶もダメって…何言ってんだ!自分が同じ立場だったら守れるわけないだろっ」と憤慨することしきり。
発泡酒350ml缶を空けるとそのままベッドイン。

91歳の身で2時間弱の訪問。やはり気疲れしたのでしょう。
先生の指導をすべて守ってくださいと私は言えません。
なるべく守って、少しでも長生きしてくださいませ。
本日はご苦労様でした…。

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