感謝と激励と
兄は、私より3つ上で現在63歳。
すでに定年退職して、再就職を目指し、職業訓練校に通っています。
日々、自分の家族のことに対応しながら、2世帯住宅を行き来して父の様子を確認したり料理をつくったり。ほとんど実家に寄り付かない不肖の弟としては頭が下がる思いです。
今回の私の帰省でも、わざわざコゴミ、タラの芽、コシアブラといった旬の採れたて山菜を手に入れ、おひたしや天ぷらにして父と私に振舞ってくれました。
昨日、その兄と父との間でちょっとした出来事がありました。
父は耳が遠いため、話しかけても通じないことが多く、家族は声を大にして話しかけなければなりません。やり取りをするうちに疲れてきて、互いに言葉が荒っぽくなり、つい口げんかへと発展-。
という具合にままなりがちなのですが、そうではありません。
私が明日自宅に引き揚げることを2人に報告しつつ、夕食をとっていたときのこと。
私と兄とで作ったり持ち寄ったりした料理に、父がはしを途切れなく延ばす出す様子をみて、私が「今日は遅めの昼食だったけど、食欲がありますねぇ」と言うと、兄と父が言葉を重ねてきて…
兄「そう、食欲はあるんだ。食欲があって大したものだ」
父「いつもあなたに食事を作ってもらって…。そのほかいろいろお世話になって」
兄「い~え」
父「あなたのお陰で生きさせていただいております。ありがとうございます」
兄「そうですか。どうぞ長生きしてください」
何と!父が感謝の言葉を面前の兄に伝え、兄が父に激励の言葉で返すとは!!
うれいしい春の珍事です!
この日は談笑に終始。
母が生きていたら、きっと涙を流して喜んだでしょう。
要望5項目
さて、一夜明けた今朝-。
朝食を済ませた後、この4泊5日の間、父と寝食を共にしていて気になった点を振り返ってみました。
- 居間で食事をとり終わると、ほとんどすぐ、隣の部屋のベッドで横たわってしまう
- 入浴が3日に1度程度の頻度に減ってしまった
- アルコールは飲むが、飲水がほとんどない
- エアコン、加湿器を使いこなせず、体をかいて足などに出血がみられる
- 電気ストーブを点けたままで寝てしまう
昨冬、2階にあったベッドを1階居間の隣の部屋へ移したのですが、これに伴い座位より臥位の時間が圧倒的に増加。独りで入浴中に転んだり気分が悪くなったりすることを恐れてか、入浴回数が減少。便通改善のために勧めている飲水習慣は定着せず、エアコン、電気ストーブの過度な使用による肌トラブルを抱えていました。
口で伝えても、耳が遠いし、忘れてしまうだろうと思い、テーブルの上にあった用紙に「お願い事項」5点を書き出し、口頭で補いながら、父に手渡すことにしました。
- ①「食後30分は座位を保つ」
胃酸が逆流して食道炎などが起きるのを防ぎ、時間を認識するため。 - ②「きちんと入浴する」
血行を促進し、体内の老廃物を体外に排出するため。
- ③「水を飲む」
便通改善のため。できれば1ℓ以上。カリウムを含む野菜ジュースは1日1本まで。 - ④「室内温度・湿度を管理する」
肌乾燥を防ぐため。設定温度は25℃以下、加湿器は毎日使用すること。 - ⑤「電気ストーブの消火を確認する」
点けっぱなしによる出火や肌の乾燥、やけどを防ぐため。
父の反応は「あぁ、はい、はい」と、いま一つ…。
母の納骨6月に
そして、母の納骨の時期を延期してもらうこともお願いをしました。
当初は5月下旬を予定し、菩提寺や親戚関係者、宿泊施設との調整をほぼ終えていましたが、私の定年退職後の再就職活動等々で1カ月ほど先延ばしにしてもらうことに。
当方の都合なので、私が関係者や宿泊施設に連絡をし、日程を再調整。
コロナ感染対策の規制が緩み、観光業界を元気づける「旅割」の影響で、宿泊施設は5月から6月にかけてほぼ満室状態。
加えて「宿泊者10人超、部屋6室確保」のハードルは高かく、難航しましたが、何とか整いました。
本日出立前、父に宿泊施設、菩提寺との日程変更の手続きを終えたことを報告。
父から、5月下旬から6月下旬への変更についての最終了承を得た上で、関係者にその旨の連絡を済ませたのでした。
父にはもうしばらくの間、実家で母のお骨を守ってもらうことになります。
「今度は6月にうかがいます。お達者で」
そう別れを告げて、帰路に就いたのでした。