危険な口ぐせ
午前9時すぎに父と朝食。
テレビをつけると、テレビ朝日の「モーニングショー」が「脳老化」について取り上げていました。
2人にとって絶好のテーマです。
「30分未満の昼寝は脳の緊張を緩和するため認知症発症リスクが50%低減される」という話に始まり、話題は脳にマイナスになる「使わない方がいい言葉」「危険な口ぐせ」へ。
疲れた
嫌だ
運が悪い
難しい
わからない
無理
もう年だから
時間がないから
あの人のせいだ
あの時はよかった
~しなければいけない
体力がない
気力がない
いつも私は~
みんな~と言っている
面倒くさい
テレビ画面いっぱいにズラリと並んだ「禁句」を見て、心の中でつぶやきました。
「う~ん、『嫌だ』『無理』『時間がないから』『面倒くさい』はよく妻に向かって使うなぁ」
ゲストの脳科学者が「疲れたと口に出して言ってしまうと、脳が疲れたイメージを抱いてパフォーマンスが落ちてしまう」と言うので、再びつぶやき。
「そうね、それは確かにそんな経験はあるね」
さらに脳科学者いわく。
物事をネガティブでなくポジティブにとらえて楽観的に考えることで、認知症のリスク低下につながるので、ネガティブな言葉を口にしてしまったには、「でも」と続けて、ポジティブな言葉を自分に投げかけてください、と。
「疲れた…。でも、よく頑張ったよ」といった具合だそうです。
この論理はよく分かりませんでしたが…。
語彙力ピークに光明
番組では、脳能力のうち名前などを憶える記憶力は年齢が若いうちの方が高い一方、集中力が最も高いのは40代などと紹介。
私のように還暦を過ぎたら脳能力は衰退する一方なのかと暗い気持ちになってところに、パッと光明が差し込みました。
「語彙力」のピークは67歳-。
ハーバード大の2016年の研究結果として紹介されたのです。
年齢とともに語彙(い)が蓄積されて「結晶性知能」が高まるため、文章、言葉を使う仕事が向いている、と言います。還暦を機に下手なブログをつづり始めてしまった私としては、勇気づけられました。結晶性知能…このフレーズは響きますね。
「視覚による情報認識能力」についても解説。
パネルに描いた能力の高さを折れ線グラフは加齢とともに徐々に低下していきますが、60~70歳の時にグッと大幅に落ち込んでいます。
脳学者によると、この年代以降は空間認識能力も衰えてしまい、それで高齢者の自動車事故が起きてしまう一因と指摘していました。
「ここ、よく聞いてください!」
昨日、父に自動車免許の返納を促したばかりだっただけにすかさず一声。
しかし、父の方を振り返ると、さっきまで一緒に見ていたのに、食事が終わりすでにベッドへ移動を開始していて、みごと〝空振り〟に。
絶好の機会を逃してしまい落胆したのですが、そこはたった今学習したばかり。
こんなときこそポジティブにと心の中で強くつぶやきました。
「疲れるなぁ…でも説得し続けますよ」
健筆健在
読みかけのハガキや手紙を無造作にストックしている父の「私書箱」をチェックした時、生命保険会社からの「ご家族アシストプラスのご案内」の文書があったことを思い出しました。
開封すると、申込書と記入見本、しおり・約款、返信用封筒が入っていたので、しおりを一読。
- 契約者が高齢で家族が契約内容を知っておきたいが、確認できない
- 契約内容を変更したいが、契約者が病気などで意思表示ができずに手続きできない
そんなときでも、事前に家族登録をしておけば、家族が契約内容を確認したり、契約者本人に代わって契約内容を変更したりできるシステムとのことで、不測の事態に備えて登録することに。
インターネットによる登録も可能ですが、齢90超の父は対応できないので、申込書送付による手続きの方法を採ることに。申込書に関しては「すべて、契約者ご本人でご記入ください」とあるので、昼寝から目覚めた父に申込みの趣旨を説明しながら、逐一記入してもらいました。
申込人・契約者(署名、記入日、住所、連絡先電話番号)
登録家族(氏名、生年月日、契約者からみた続柄、電話番号、住所)
この共同作業がとても有意義でした。
父の自身に関する事柄と、私に関する事柄に関する認識能力を測る機会になったからです。
2人で確認しながらの作業でしたが、父は変わらぬ健筆ぶりで一字も間違えることなく、書き進めていってくれました。
脳能力、まだまだ衰えていませんよ!
父を見ていて、うれしく思い、またホッとしたのでした。